Sexy Zoneは希望
今日でSexy Zoneのメンバーが全員成人した。
大人になったなあ。
昨年末、FNS歌謡祭で披露した『夜空ノムコウ』を聴きながらそう思った。
2011年、わたしは「突然集められた将来もあやふやな得体の知れない未成年のアイドルグループ」を今後絶対に応援しないと自分の中で決めていた。
なぜなら、とにかく心穏やかにアイドルを応援したかったからだ。不祥事や脱退で自分が傷つきたくなくなかった。だから、そのリスクを少しでも下げようと自分で対策を打とうとしていた。わたしが、そういったことは成人してもあるのだときちんと知るのはもう少しあとの話だ。当時のわたしは、「グループの方針が明確で歌やダンス、タレントとしてのスキルがある成人グループ」をすきになることが、穏やかにアイドルを応援する最善の方法なのではないかと思っていた。
ところがどっこい、その年にデビューしたまさに「突然集められた将来もあやふやな得体の知れない未成年のアイドルグループ」が気になって気になって気になって、やせ我慢と見て見ぬ振りをしたけど気になって、結局一年足らずでまあまあのファンになっていた。
そのアイドルグループがSexy Zoneだ。
わたしは、自分で下した決意を守れなかった代わりに、「彼らに何があっても、将来どんな道を選んでも、仮に全員の成人を見届けられなくても絶対に受けとめる」と自分自身と契約を結んだ。たかだかアイドル応援するのにそんな…って思うかもしれないけれど、それくらい腹をくくっておきたかった。
そんな決心が頭の片隅にありながら、全員10代!全員学生!最高ー!と思うようにもなった。少しずつ大人になっていくことがうれしくもあり、寂しくもあり。永遠の10代でいてほしい、学生でいてほしい、ずっとそのまま変わらないでいてほしいって思ってた。
時が経つのは止められなかった。
時間という、誰にでも平等に与えられた膨大な宇宙に浮かびながら自然と変化していくことは、苦しかったし、たのしかった。
あのころの未来に
ぼくらは立っているのかなぁ
全てが思うほど
うまくはいかないみたいだ
このままどこまでも
日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空が
マドのむこうにつづいてる
あれからぼくたちは
何かを信じてこれたかなぁ
夜空のむこうには
もう明日が待っている
あの日、わたしの中の『夜空ノムコウ』は、みんなが知ってる名バラード曲から、圧倒的リアリティが胸に突き刺さる歌へと変わった。歌詞が痛いくらいに染みて、ほろ苦くて、妙に馴染んで心地よい。純粋無垢な眩しすぎるままでは知りえなかった感情。
5人とも年齢が異なって、年齢制限や様々な事情もあって、平坦な道のりばかりじゃなかったよね。それでも、少しずつテレビ出演できる時間が増えて、一人ずつカウントダウンコンサートに出演していって、今年はライブのあとみんなでごはん食べに行ったんだってうれしそうに報告してくれた年があって、そして全員の成人をお祝いできた。彼らをすきになっていなかったら何とも思わなかった些細なことに喜びを感じられた。
それだけで、Sexy Zoneを応援していて本当によかった。
Sexy ZoneがSexy Zoneであるために、一人一人が自分であるために、変わりつづけていく。
成長した、大人になったと思うのか?
知らない何者かになってしまったと思うのか?
歌詞もメロディーも変わらないはずの歌が、今までと全然違うものに感じるように。自分にとっての在りかたが深まっていくように。変化をたのしむのも悪くないかな。
ここはゴールではないし、これからだって先のわからない道はつづいていくことは承知の上。変わることを恐れずいつもいつも今の彼らを応援していきたいと思うんだ。
今日という日は、あたりまえのようであたりまえじゃない。
現実味がなくて想像もできなくて、遥か遠い未来だと思っていた今日。
Sexy Zoneは希望だ。
マリちゃん20さいのお誕生日おめでとう。
Sexy Zone全員成人おめでとう。
やっぱりわたしは、ずっとずっとこの日を待ってたような気がする。
*
ポニーキャニオンさん、約8年間ありがとうございました。わたしが就職説明会へ行った年、人事の方が「今年はSexy Zoneが紅白歌合戦に初出場します!」とうれしそうに言っていたこと、本社の窓に掲示された大きなポスターが泣きそうになるくらいうれしかったこと、忘れません。
30本目
マリヨ
薔薇30本の花言葉は「信じれば縁はあります」