花が咲くころ

世界にひとつしかない薔薇の花束をあなたに贈ります

手放してドキュメンタリー


家で過ごすのが久しぶりなゴールデンウィーク

もうしばらくつづきそうなステイホーム。

このタイミングでずっと書きたかったイチオシのライブ映像作品について綴りたいと思う。


わたしがすきでたまらないライブ映像作品は、『Johnny's Dome Theatre 〜SUMMARY 2012〜 Sexy Zone』と『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』の二作品。

この二作の共通点は、DVDまたはBlu-rayに公演のドキュメンタリーやメイキングの特典映像がついていないことだ。


ジャニーズのコンサート映像には、メイキング映像が特典としてついていることが多い。リハーサルや本番前などの裏側を覗けることは、ファンとしてたのしみのひとつだ。もちろんわたしもありがたく見ているうちの一人。セットリストにステージセット、衣装や演出における制作秘話。リハーサルや本番当日のメンバー同士のコミュニケーション。それらをお目当てに映像作品を購入する人も少なくないのではないだろうか。


しかし、この二作にはそういった特典映像はない。そういったものに頼らなくていい、と納得してしまうくらいに、とにかく本編映像の完成度が高いのだ。ショーそのものとしても、映像作品としてもかなりの見応えがある。わたしは、この二作品が惹きつける映像作品としての面白さについて、どうかより多くの人に知ってもらいたいと思う。

 


まずは、『Johnny's Dome Theatre 〜SUMMARY 2012〜 Sexy Zone』。こちらは、限りなくコンサートに近い舞台で、かつての若手ジャニーズの登竜門。サークルフライングや水を使った演出が名物だ。

ショーの中で当時発売前の新曲『Sexy Summerに雪が降る』を二回ほど歌う。これがどちらも素晴らしいのだ。ひとつの公演で同じ曲を二回以上披露することほど難しいことはないと思う。それを彼らはやってのけた。退屈させず、穴埋めのように感じさせず、二度二様の表現がそこにはある。

一度目の"〜Ballad ver.〜"は、しっとりとしたイントロから見ている人を引き込み、Sexy Zoneの5人はブランコへと乗り込む。ブランコは宙に浮かび、サビと同時に彼らは円柱状の水のカーテンで包まれる。なんて幻想的なんだろう。はじめて見たときの驚きと揺さぶられる感情と言ったらもう。本当にだいすきで、そのころiPod touchにも映像を入れて散々見返した思い出がある。

二度目は、わたしたちもすっかり見慣れた振り付けのバージョンをフルコーラスで披露する。最後に会場に雪が降ってくることで、この歌の"真夏に雪が降る奇跡"を見事に体現してみせた。この説得力がフィナーレにふさわしいなあと思う。

当時全員10代だったSexy Zoneの5人と多くのジャニーズJr.が無我夢中で捧げた、長くて短いひと夏の集大成が一枚のディスクに詰まっている。

 


『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』の映像作品に特典でメイキング映像がつかないと知ったときは、それなりに衝撃を受けた。今となっては、"NEWSのコンサート=舞台裏をあまり明かさない"というイメージが定着しつつあるのが、ここがはじまりだったように思う。4人になってから、思わず寄り添いたくなってしまうような道のりや経験を語ってきたNEWSが、語ることを手放したのだ。

『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』は、決して大掛かりなセットや最新技術を多用してるとは言えない。しかし、考え抜かれたセットリストと細やかな演出が、見ている人をハッピーにして感動を与える。そんな工夫に溢れた演出の中から、わたしがお気に入りの三点について話したいと思う。

一つ目は、コンサート序盤にステージの外周を4人がまとまって同じ方向に練り歩くところだ。要所要所で踊り、きちんと楽曲を披露しながらメインステージとセンターステージを囲む外周を一周する。"外周=散らばる"という概念を覆された瞬間だった。4人一列になって外周を歩く姿は、映像で見るとより一層たのしめる。楽曲は、みんなで盛り上がれる『恋のABO』と『NYARO』の2曲をたっぷりフルコーラスで。そのあとの『weeeek』で花道を進み、華やかにオープニングを飾る。

二つ目は、後半での『NEWSニッポン』とその前の余興だ。邪悪なウェブラックをやっつけるためにいくつかのゲームに挑戦するわたしたち。ゲームの最終戦では、"TO NORTH!TO EAST!GO WEST!GO SOUTH!"のかけ声を揃えて会場をひとつにすることが求められる。そして、『NEWSニッポン』のイントロがかかった瞬間、会場のボルテージは最高潮になる。出演者がはけている間をたのしませ、楽曲がはじまる前に次の曲に向けて熱量を高めていける、圧倒的なアイディア勝ちだ。華やかなフロートに乗ってデビュー曲を歌うNEWSの姿が眩しい。

最後は、アンコールでのひとコマ。大きな円形ステージに4人がぎゅっと集まって『渚のお姉サマー』を歌う。え、この曲そんなふうに歌う曲?!はたまた、"アンコール=ファンサービスタイム"なんじゃないかという概念が壊された。広い広い東京ドームのステージの一箇所に、ただただ4人がくっついて歌う姿にこんなにも心があたたかくなるなんて、全然知らなかったよ。

 


本当はもっともっと二作品について綴りたいところだけれど、この辺で。

『Johnny's Dome Theatre 〜SUMMARY 2012〜 Sexy Zone』では世界観の美しさに、『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』ではハッピーが溢れすぎて、泣いてしまう。

これが感動か。


直接的な言葉や種明かしではなく、ステージに立ち今の自分たちをまっすぐに表現する姿に、涙がこぼれる。

これが感動だ。


感動は廃れない。


もしもあなたが、ドキュメンタリーやメイキング映像なしではアイドルのコンサート映像をたのしめないと思っているのなら、是非この二作品を目に焼きつけてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

来月にはお花屋さんに行けることを願って。


40本目

ラブリーファンデーション

 

f:id:sooooo8p:20200504212534j:image


薔薇40本の花言葉は「真実の愛を誓います」