はじまりのストーリー
わたしがNEWSと出会った最初のお話。
2008年6月、当時高校生だったわたしは、体調を崩して3ヶ月間の入院をした。この間、一生懸命に打ち込んでいた部活ができなかったことが何よりもつらかった。ひとり置いて行かれているような気がして毎日不安だった。そんな長い入院生活を支えてくれた歌がある。NEWSの『SUMMER TIME』だ。中学生になったばかりの妹が教えてくれた曲。とてもいい歌だと思った。
"夏のまえにキミに逢えたから 最高の波がきているのさ"
携帯もテレビも自由に見れなかった入院中、こっそり病棟を抜け出して病院内の公園でこの歌をうたっていた。
アイドルなんてチャラチャラしてヘラヘラして見えて、全然すきじゃなかった。そんなふうに思っていたアイドルにわたしは元気づけられた。自分の心にぽっかりとあいた空間を満たしてくれた。あれから12年経った今も、『SUMMER TIME』と過ごしたあの夏を鮮明に憶えている。
わたしが、アイドルを応援することで知ったのは現実だった。
悪いことをすれば罰を受け、時間の流れとともに去っていく者もいる。病気や怪我もする。その度に、なぜか胸をえぐられるように苦しくなってしまう。この感覚に慣れることはない。どんなときもただただ、さみしい。
正直、知らなければよかった、すきにならなければよかったなあって思うときがある。アイドルなんて応援しないでも全然生きていけるのに、どうしてすきになっちゃったんだろう。夢みたいな奇跡みたいなことは起こらないって重々わかってるはずなのに、どうしてファンをつづけてるんだろう。
あるときから無性にすきになって、人目をはばからず無我夢中で追いかけていた日々はほんの一瞬で、ずっとあの催眠にかかったような状態でいたかった。
でもね、わたしは彼らを応援することで厳しい現実を知り、同じ一人の人間だと受けとめることでこれまで応援し、今日も生きてこれたんだとも思うんだ。だから、全部ちゃんとわかってるつもりだよ。
だけど今は、朝、目が覚めたら全部の記憶がなくなってないかなあって思っちゃう。たのしかった記憶を代償にして、全部消しちゃいたい。出会えてよかったけど、出会ってなかったら何の感情も持たずにすんだのに。今はそう思う。
はじまりがあって、おわりがあって、いつしか解けて馴染んでゆく。そうやって世界はつづいてく。
"他人(ひと)に 言えないこと 言わないこと 胸にあるだろう"
『NEW STORY』のこの歌詞を最初に聴いたとき、NEWSがすきで本当によかったなって思った。
人は出会い、別れてく
過ぎ去っていつかまた出会う
そんな運命の悪戯に
傷つくこともあるけど
(NEW STORY/NEWS)
ここのパート、誰が歌ってるか知ってます?
この歌は、少し先の彼らを知っていたんでしょうか。
*
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