花が咲くころ

世界にひとつしかない薔薇の花束をあなたに贈ります

ファンタジーまであと少し

 

今年の日経エンタテインメント!5月号でNEWSが特集を組んでもらったとき、取材者側のNEWSのアイドルとしての路線変更についての分析が面白かった。

あくまでも日経エンタ側の分析でしかないのだけど、NEWSはこの4〜5年間で「かわいい等身大」のアイドルから「大人っぽいファンタジック」なアイドルへ転身したのではないか、「大人っぽいファンタジック」という枠はジャニーズ界で空席だったのでは?というものだった。
ページをめくるとNEWS4人の座談会が。そこでアルバムNEVERLANDに収録されている「流れ星」が10年前からいつかシングルで発表したいと温めてきた曲だったことを知る。NEWSらしすぎるサウンドと透きとおりすぎた歌詞のこの曲はちょっととっつきにくくて、聴きかたに悩んでいたのだけど、この誌面内容によって急に輪郭がはっきりとしてよく聴くようになった。ライブで聴ける日を待ち遠しく思いながら。

 

わたしはどちらかというと、つくりこまれた世界観がだいすきで、アイドルにはいつだって夢の世界へ連れていってほしいという気持ちで応援してる。
6月の東京ドーム。NEWS LIVE TOUR 2017 NEVERLANDに行ってきた。会場へ入るとそこは東京ドームだということを忘れる異空間、NEVERLANDが広がっていた。そう、これこれ!すきなやつ!と思いながら上昇するテンション。
おとぎ話ようなストーリーとともに進んでいくライブの中で、円形のステージ上で4人が向かいあい力強く歌いだした曲。「フルスイング」。この曲と向き合うNEWSの姿勢は変わらずまっすぐで眩しくて。やっぱりこの曲は彼らにとってとても大切な曲なんだよなって。

わたしは「フルスイング」が苦手だ。
はじめて聴いたときから得意じゃないなあと思ってて、ふだん音楽プレーヤーではまず聴かない。いつか克服したいと思いながらできないまま月日が流れ、この曲へ苦手意識を持ってることに後ろめたさを感じながらもまあいっかって。
今回のライブで大切な役割を果たす「鍵」のモチーフ。鍵をかけるのではなく、開ける。そして扉を開く。これがファンタジーなNEVERLANDを通して伝えたい大きなテーマだ。その中にきっとあえて組み込まれたであろう「フルスイング」
アイドルに現実的で人間くさい歌を歌ってもらうことは求めてない!たのしい世界に連れてって!と思いつづけてきたけど、ファンタジーをつくりあげる中でリアルな等身大の自分たちを感情こめて歌えるというのは、彼がマンガやアニメや小説の登場人物ではなく、人間であるからなのかなって思った。
わたしたちに明日からもがんばれる力を、扉を開く勇気をくれるNEWS。「フルスイング」は、つくりこまれたファンタジーな世界に、彼ら自身が一歩を踏み出すための、NEVERLANDの住人になるための、力をくれる楽曲なのかもしれないなあ。はじめてそんなふうに思えて、正面から楽曲を受けとめることができた気がした。

 

彼らを乗せた汽車が遠いどこかへ発車してしまう前に歌った「流れ星」。幾千もの星が瞬く夜空を走る汽車がわたしにははっきりと見えた。冒頭の話をライブ前に母にしたら、終わったあとあの話聞いてから聴けてよかったって言ってもらえてうれしかった。NEWSはいつだって星とともにある。

 

いちばん最後の曲、イントロが流れてメインステージに浮かぶ4人のシルエット。
わたしのいた場所からいちばん近くに立っていた彼。いつも強気でスーパーポジティブでその華奢さを感じさせない大きな存在が、なんだか小さく見えて目を離すことができなかった。
身体を震わせて、涙を堪えながら振り絞って歌う姿を見てわたしも歌った。よくわかんないけど涙が溢れてきて、泣きながら、叫ぶようになっちゃったけど、歌わなきゃって思った。勝手なわがままなんだけど、また会いたいもん。NEWSに、4人に、どうしてもまた会いたいんだ。
アイドルもひとりの人間だから、落ち込むし不安にもなるし、自分の力でどうしてもどうにもできない、扉の向こうへあと一歩踏み出すことができないときもある。そんなときはわたしたちが歌うよ。みんなの声は追い風だ。どうか届きますように。聞いてください、「UR not alone」。

 

 

 

 

 

 

 

 

48本目

カタリナ

 

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